SEから工場に戻った理由は「給料と安定」。IT転職が正解とは限らないと思った話

「未経験からITエンジニアへ」という話はよく聞く。自分も実際に建築からSEに転職した。でも、最終的にはSEを辞めて工場に戻った。理由をひとことで言うと、「給料と安定」だった。

ITはたしかに人気の転職先

IT系の仕事は、今も人手が足りていない分野の1つだ。2026年7月の職業別の有効求人倍率を見ると、IT・情報処理の仕事は1.50倍。求職者1人に対して1.5件の求人がある計算になる。スキルが身につけば、年齢を重ねても仕事を続けやすい、というのも魅力だと思う。

ただ「未経験から」は最初が大変

一方で、未経験からSEになる場合、最初の給料は高くないことが多い。経験がない状態で採用されるので、最初は覚えることばかりで、評価されて給料が上がるまでには時間がかかる。

働き方も、担当するプロジェクトによって忙しさが大きく変わることがある。納期前は残業が増え、落ち着くと減る。毎月の収入や生活リズムが読みにくい、という面もある。

家族がいると「見通しが立つこと」が大事だった

自分には妻と子どもが2人いる。独身のときなら「今は我慢して、スキルがついたら稼げばいい」と考えられたかもしれない。でも家族がいると、毎月いくら入ってくるのか、来年もそれが続くのか、という見通しのほうが大事になった。

工場の仕事は、交替勤務や夜勤の手当がつくことが多く、会社によっては賞与や福利厚生もしっかりしている。仕事の内容も決まっているので、働く時間と収入の見通しが立てやすい。自分にとっては、そこが決め手だった。

IT転職が「間違い」だったわけではない

SEの経験がムダだったとは思っていない。ITの仕組みを知れたことは、今の生活のいろいろな場面で役に立っている。

ただ、「ITに行けば正解」というわけでもない、というのが自分の結論。何を優先するかで、正解の職種は人によって変わる。自分の場合、それは「給料と安定」だった。

未経験からIT業界に行く前に考えておきたいこと

ITを目指すこと自体は、悪い選択ではないと思う。ただ、入ってから「思っていたのと違う」とならないように、考えておきたいことがある。

  • 最初の数年の収入で生活できるか:未経験からのスタートだと、年収が下がることもある
  • 仕事のあとに勉強する時間を取れるか:技術は変わり続けるので、自分で学ぶ時間が必要になる
  • どんな会社に入るか:自社のサービスを作る会社と、ほかの会社に人を送る会社とでは、働き方がかなり違う
  • パソコンに向かう時間が長くても平気か:1日中座って画面を見る仕事が合うかどうか

家族持ちが仕事を選ぶときの「安定」の中身

「安定」と言っても、人によって中身は違う。毎月の給料が大きく変わらないこと、休みの予定が立てやすいこと、急な残業が少ないこと、会社が長く続きそうなこと。自分にとってどれが一番大事かを書き出してみると、選ぶ仕事も見えてきやすいと思う。

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